エハラ・カツヒコ/住宅の設計 | |||
家を建てる/住む人のイニシアチブにふまえた家造り 住宅のオーダー設計/佐世保市、西海市、長崎市外海、川棚、大村をエリア。 住まい手の建築イニシアチブ復権/建築自己実現/建築の楽しみへ回帰 目次/インデックス
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ここでは/設計監理が業務として成立するための条件 はじめに。設計監理という業務としての概念は、全国的にみて以前よりも浸透してきたように感じられますが、社会必須の職能としての認知はまだ不十分です。特に地方においては、建築士の存在理由すら十分に理解されてすらいないのが現状です。単に工事費の何%、面積あたりいくら、といった説明だけで建て主の理解が得られればよいのですが、そうもいかない場合、なぜそうなるのか。設計監理業務の必要性と合理性、建築士の具体的な仕事、設計料金と建築規模の関係などについて分かりやすく説明する ここでも、設計料やスケジュールなどについての整理をいたしますが、その前に少し視点を変えて、建築主側の建築イニシアチブの視点から、設計監理が業務として成立するための条件とは何か、まずは掘り下げてみたいと思います。□ |
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設計監理のはじめ 設計監理の命は『代理人としての信頼』にあります。 建築をとりまく制度や環境は、今においてもまだ完全ではありません。自然災害や火災などの防災上のこと、シェアハウスに代表される新しい住スタイルと法制面のこと、エネルギーと建築および生産のことなど、これらは、これから何かしらのはっきりした指標、方向性を必要としています。国がこれらの指標の大半を誘導していくことになりますが、それでもまだ問題点や課題は残ります。 これから建築する場合、たとえば確認申請では建築主の委任を受けた建築士が建築主の代理人となることが求められています。通常、資格を持っていない建築主自身は建築することができません。これはあたりまえ、自明のこととして、通常業務がなされますが、代理人についての基礎的自覚が、代理人ならびに発注側においても不完全だと、耐震偽装や欠陥建売住宅、1級建築士詐称などの問題が生じたりします。 建築主の代理となって設計監理をする建築士について、理解する一つの視点として、建築主の権限(イニシアチブ)、建築することの主導権から眺めみます。 建築主は、建築を設計事務所に依頼する場合、設計監理業務契約に沿って、建築主の権限の一部行使を、建築主の承認を前提に、建築士にゆだねることになります。ここでの建築主の権限の一部とは、建築士の専門に関する設計監理の領域です。 建築士は建築主との承認下、建築についての大きな決定権(イニシアチブ)を、実施設計や現場監理で行使することになりますが、見方をかえればこの期間、決定権(イニシアチブ)は建築主より、建築士に多くゆだねられている期間であるとも言えます。建築士は自らの、法制ふくむ専門的知見、職能倫理に賭けて、建築についての決定権を行使しなければなりません。それは、実施設計や現場監理が専門的であるからという建築士側の理由もありますが、これがゆがむと耐震偽装などの問題が生じます。確認申請時求められる代理者のこと一つにおいても、つきつめていけば、中心は建築士の建築に対する倫理観にいたるのではないかと考えています。 建築についてのイニシアチブ。住宅の建築においては、建築主・住まい手側は、自らの建築について、決定すること、正当な理由があれば建築士を変えること、建築を中止できることなど含めた全権限があります。あわせて、建築については建築士においても契約下の部分的権限に限られますが、建築を適切につくるための専門家としての権限があります。これらの両者の権限の範囲を理解しておくことは、建築設計や建築現場で有益にはたらきます。なお、このような事項などについては法律で、建築士が事前に建築主側に、よく理解してもらうまで重要事柄説明(※1)をしなければならないこととなっています。 (※1)設計事務所の建築士は契約の前、建築主側に建築士免許証を提示し、契約内容にかかる法令事項ふくむ所定内容についての重要事項説明をし、合意を得た上で記載内容の書面を建築主側に交付することが法律(建築士法)で義務づけられています。 参考 検索 キーワード 『インフォームド・コンセント』 『建築士法第24条の7第1項』 契約を締結する前に。法律で建築士は建築主に重要事項の説明を行わなければなりません。見方を変えれば、建築主は理解し納得しなければ、契約締結をしなくても良いのです。建築することは厳粛なことです。その基盤となる設計監理契約もまた厳粛なものだからです。□ 設計事務所を介する住宅建築の場合。施工は一括発注の場合。 建築設計監理業務委託契約 : 建築主 ⇔ 設計者 建設工事請負契約 : 建築主(設計者) ⇔ 施工者 契約は、建築を円滑に進めるためのルール、約束事です。そして建築は正直です。出来上がりではっきりと分かります。設計者が住まい手の信頼に応えることができるのは、契約の結実としての建築においてのみです。□ |
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専攻建築士/エンジニア/仕事人 専攻建築士。建築の規模や種類によっては、全設計のいろいろな領域において、設計者のみでは手がまわらない構造計算や床衝撃音シミュレートなどを必要とする専門領域もあります。そのような建築設計の場合、専攻建築士ともよばれる構造や設備の専門がその領域にたずさわります。□ 大きな建物や公的施設などの建築設計では、構造設計や機械設備、電気設備、音響設計などのエンジニアと設計を共にします。発注主の委託を受けた設計事務所と各エンジニアとの関係は、上下(元請・下請)の関係を基本としますが、特殊構造の建築(※2)などの場合は、並列の関係でチーム組んだりもします。 (※2)建築事例。菫ヶ丘団地(すみれが丘S.I.)。黒髪町の佐世保南高等学校そばの日宇川沿い。スケルトン・インフィル(Skeleton Infilel)S.I.。サスティナブル建築のひとつです。スケルトンという語彙は一般的になっています。内部が透けて見えるのでスケルトンとして多用されていますが本当はちょっとちがいます。スケルトンとは、骨格、建築では外側の頑丈な構造体といった意味です。その外骨格の中に、設備・内装・建具などのインフィルを将来の改築や用途変更なども前提にフレキシブルな状態で内包します。S.I.、そのような仕組みの建築の総称です。 住宅建築においても、鉄筋コンクリート、鉄骨造、大スパンの木造、木造3階建てなどでは、構造計算が必要となりますので、そのような住宅建築においては基本的に構造事務所の協力をあおぎます。□ |
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実施設計/ジュウタン織り/受動 基本設計が終わると、より具体的な設計作業である実施設計にはいります。常に建築イニシアチブの全権は建築主・住まい手側にありますが、この実施設計の期間は、寸法や仕様を選定するイニシアチブはかなりの部分、実施設計を専門とする設計者側に移行しています。 とはいえ、設計者にとって実施設計そのものは注意力と根気を要する作業です。基本設計がどちらかといえば創造的で楽しく動的であったのにくらべ静的で、今までの内容を受動的に整理していく設計期間であるともいえます。実施設計の作業イメージとしては、ちょうど中東のジュウタン織りのような感じでしょうか。□ 参考 キーワード 検索 『ペルシア絨毯』 ※ 内容とまったく関係ありませんが、こういった本もありました。
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施工者の特定/入札は潜水艦のように 施工者の選定方法について。 指名競争入札の場合は、正規の設計書(元拾い簿・正規の積算による内訳書)など他いろいろな準備しますので、他の選定方法より作業手間(別途料金とします)がかかります。建築主側のメリットとしては、施工者を建築主・住まい手側に関与させることなく、設計事務所側で入札準備から、目的とする設定コスト内での施工者特定まで、一連の作業をこなしますので、建築主・住まい手側のメンタル的負担についてはほとんど無いはずです。□ |
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スケジュール/初回提案から引き渡し後業務まで オーダー設計/注文住宅 建築完了までの設計監理の作業スケジュールについて、それぞれの工程ごと一応の目安を以下に示しておりますが、基本的に、建築の規模・内容にふまえ常識的に対応できる範囲内であれば、建築引き渡しまでのスケジュールは建築主・住まい手さん側の意向に準じることとしています。 < .顔合わせ> ご相談やアドバイス 設計監理料の見積もり など ↓ 設計をご依頼される場合 ↓ < 0.初回提案> 2週間 ☆ <T.基本設計> 2〜3ヶ月 ☆ <U.実施設計> 3ヶ月〜5ヶ月 ☆ <V.申請各種> (U.実施設計期間にふくむ) <W.業者選定> 2週間〜1ヶ月 ☆ <Y.現場監理> 5〜6ヶ月(工事期間)(解体の場合、+1ヶ月) <Z.建築完成後ケア> 1年後点検ほか耐用年経過部位などのご相談 設計(T〜W)に要する期間は約6ヶ月。現場監理(Y)=工事期間については建築の規模・構造・工法にもよりますがおよそ5ヶ月、イレギュラーに正月・お盆・連休など、最終的な建て主検査などにおいて手直し工事がはいることもありますので、工事期間を約6ヶ月として。一定の手順をふむ注文住宅のスケジュールは、スタートから建築の完了まで、約1年 くらいかかるものとご理解ください。□ |
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設計・監理の報酬 はじめに スキップ (説明とばす) → 現在の正規の算定基準 設計料についての説明、それに要する内容は、四半世紀以上の昔から難解です。建築士は自身のことですので分かっていたとしても、建築主に設計料のことを正しく理解していただくためには、相応の工夫、努力が求められてきました。それは今もあまり変わりありません。むろん、%や面積単価は、ずいぶんと昔から一般化されていますが、土地や金銀、食材など見えるモノの価値の根拠に比べ、設計料の根拠は、こわれやい、軽視されやすい側面をもっています。 それは設計料根拠の構成自体、説明するのに複雑なこともありますが、それ以上に日本人の昔からの経済感覚とは、やや毛色のちがった価値観が、専業設計の業務報酬としての設計料の中に潜在的にあるからです。 実のところ、日本における建築設計という業務は、近代たかだか百年くらいのものです。日本人の持つ感覚として、無形の技術という分野は、極論すれば伝承芸能の分野とほとんど同義に近いものです。それらへの対価は個々人の満足度によるものでかつ流動的、金銭的価値はつけにくく、せいぜい投げ銭やカンパの感覚に近いものだろうと思います。しかし一方で、やはり、モノ(家、野菜、人夫の汗)については相応のしっかりした評価ができる、そういった感覚を今も、文化的に受け継いでいるのではないのでしょうか。 むかし、情報そのものについての明瞭な価値は、たとえば、一国の盛衰にかかる忍者の情報や、米相場などにしか現れてこず、寺社建築技術その他、無形の手法や方法論は一子相伝的な術、芸として、棟梁や職人の身体を通してのみ伝承されるものでありました。このように、術や芸に価値は十分にみとめても、術や芸に金銭を整合させるといった概念を、本来、私たちはあまり持ち合わせていないのです。 今は、知財権・知的財産についての概念が定着してきましたので、手法やものづくりのプロセスを、金銭の対価の対象として説明する糸口が、少し現れてきたようには思いますが、設計は建築(単独で成立しうる純粋な知財ともちがい、いろいろな部材や工法、ときには特許製品なども複雑にからんだ建築)を対象としています。現在の設計・監理料の基準は、人件費(人・日)による算定を根拠とすることで、ほぼ落ちついているのではないかと思います。 |
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<現在の算定基準について> 近年の『平成21年度国交省告示第15号』からは、それまでの対数表(工事費に対して%という料率表)から、人件費(日(8時間))による算定法による基準へと切り替えられています。国が従前の工事費×%から誘導しているわけですから、今までの料率表と近似し、建築種別においてはバラツキもありますが、おおむね相関しているといえます。 算定基準として『平成25年度社団法人長崎県事務所協会の基準』があります。『平成21年度国交省告示第15号』に準じた人件費による算定基準となっています。以下、そのさわり(ベースとなる算定式)です。 『平成25年度社団法人長崎県事務所協会の基準』では設計・監理報酬は次のように計算されます。 <設計料の算定方法> (基本設計、実施設計とも同じです)
<監理料の算定方法>
また、技術料については、次のように設計難度に応じ数値を乗じます。
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江原建築設計事務所/住宅設計料の目安 設計監理料の見積もり/無料です 江原建築設計事務所の住宅設計料(※3)の目安は、市場価(※3)を原則とし、基本的にその価格付近の金額に準じます。 (※3)消費税を含まない金額です。理由は次のとおりです。建設工事費を細かく分解していくと単価や機器本体価格というものにいき当たります。これらは正規の設計積算や工事費見積りの元のひとつになるものです。市場は変化します。月ごとの設計資料・建設物価(建設物価調査会)や製品ごとに3社見積もりをとったりすることなどで、直接工事費がかたちづくられます。それに施工会社の諸経費が加算され、建設工事費となりますが、一般的にこの中に消費税は含まれません。また、近々の消費税の段階的引き上げへの対応的配慮にもよります。 <木造の場合>
料率をグラフ化すると対数グラフになります。相対的に、規模によって(実質作業量と建物用途、面積規模、工事費のバランスから)、料率(%)は変化していきます。大きい面積の場合は料率(%)は低く、小さい面積の場合だと料率(%)は相対的に、高くなります。 床面積あたりの換算に直すと、6万円/坪〜8万円/坪くらいになります。これも一応の目安としてお考えください。 <鉄筋コンクリート造または鉄骨造、大規模空間の木造の場合>
<現在の設計料算出基準について>
☆ なによりも、I.T.の著しい普及とあいまって、建築設計事務所の設計料については、ここ10年の間にも、耐震偽装問題・建築士職能倫理の意識の高まりによって、ずいぶんと透明化され、ネットにおいても数多く発信されるようになり、設計監理料の妥当な価格帯(相場)についても容易に分かるようになりました。 インターネットが使える環境でありましたら、ご自身で、設計料の市場(相場)をひと通りごらんになってみてください。 参考 キーワード 検索
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<設計監理料についてのご相談・見積もり (無料です)>
注)見積り合わせやデータベース目的での問い合わせはご遠慮ください。 <補遺/契約金額の補正について>
ただし、算定内容で日数が多くなってしまうなど、算定式の特性等でめだって高額となるところがあれば、契約の前に、当初ご相談において根拠とされた算定方法(工事費×%や面積換算)にもとづく減額修正を行った上で、ご承認をへて設計監理業務委託契約を結ばせていただくようにいたします。□ |
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江原建築設計事務所 1級建築士事務所 |
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